- 厳密な分類ではなくタグ付け→youtube,flickrなどに代表される。ユーザが自由にタグというものを設定でき、自由に情報を分類できる。
- ユーザによる貢献→楽天、アマゾンなどのユーザレビューがサービス価値を高める
- ユーザ参加型→ブログ等誰でも手軽に情報を発信できるようになった。
- 進歩的な分散ネットワーク→Winny,WinMXのようなP2P型ネットワークによりネットワーク負荷が軽減、マルチメディアの流通を加速
- リッチなユーザ経験→AjaxやFlashによりデスクトップアプリケーションに近い操作性を実現
- ユーザセルフサービスによるロングテールの取り込み→Google Adsense,Adwords,amazonのAPI公開など、本来のビジネスでは考えられなかった大多数の人が宣伝を行うことが可能となり、また売れ筋以外の商品を取り扱うことが実現してきている。
- 信頼に立脚した進歩的なコンテンツ作成→性善説を前提にしたコンテンツ作成、Wikipediaが代表例。
ビジネス、コミュニティ、テクノロジー「プラットフォームとしてのWEB」
テクノロジーによって便利なサービスが登場すると、それを使うユーザのコミュニティが形成される、コミュニティが十分に大きくなると、その上でビジネスが動き出す。ユーザがいなければビジネスは成立しないし、ユーザが使うサービスはテクノロジーなしにはありえない。そしてWeb2.0はこの3つの分野のプラットフォームとして効果的に機能することで、相乗効果を実現している。エンジニア・研究者、経営者・ビジネスマン、コミュニティ活動家という普段はかけ離れた関心を持つ各分野のリーダーたちがWeb2.0というという一つのキーワードに魅力を見出していることが、Web2.0現象の特徴でもある。
またテクノロジープラットフォームとしては、複数サービスを複合して新たなサービスを提供するマッシュアップ、コミュニティ・プラットフォームは、ユーザがシステムの一部として組み込まれる形となり、SNSやユーザの人気によりニュースサイトの見出しを変える機能などがあげられる。ビジネスプラットフォームとしてのWebとしてはロングテールやアフィリエイト広告、検索連動広告等があげられる。
コミュニティ情報基盤としてのWeb2.0
ここまで考察してきたようにWeb2.0の世界は、テクノロジーを組み合わせてサービスを作るのもユーザ、ビジネスニーズを作るのもユーザというユーザ(コミュニティ)参加モデルである。Web2.0はユーザの、ユーザによる、ユーザのための「コミュニティ情報基盤」を作る動きなのだと考えられる。Web2.0の世界では、ユーザの発言や行動履歴は、メタデータやWebサービスの共通形式を通じて集約される、集約されたデータは、検索サービスとして提供されたり、言語処理や統計の技術を使って多様な意味を与えられ、ユーザに提示される。リッチインタフェースの技術を使って可視化されることもある。これに反応したユーザの発言や行動の履歴がまた集約されて、コミュニティ情報基盤は一層強化されていくのである。
情報を「引き出す」を支援する仕組みが鍵になる。
Web2.0の成功例に挙げられるサービスは情報を引き出す仕組みを技術的に支援したものである。情報を引き出すにはいくつかのパターンが考えられる。
- ユーザが自己の内面の試行で引き出す
- ユーザが他社との対話から引き出す
- ユーザが記録から想起で引き出す
- 記録から関係情報を機械的に引き出す。
ビジネスとコミュニティの融合クラウドソーシング
不特定多数のインターネット上のユーザの活動を、適切なインセンティブによって組織化し、ビジネスに活かそうとする考え方は、ビジネスの世界でクラウドソーシングとして先行して注目されている。リナックスのプロジェクトのように集合知を利用して製品を作り上げようとするのである。
Web2.0的なアイデアを生み出す源流
Web2.0サービスを提供するベンチャー企業は積極的にその価値観や組織風土をマスメディアや自社のメディアで公開している。そこには従来の企業にはない、組織の創造性を育むユニークなモチベーションやインセンティブを生む試みが多数取り入れられている。
Web2.0企業の試みの例
- プロトタイプ開発のためのラボ組織
- 就業時間の20%を自主的な開発に当てなければならないGoogleの20%ルール
- プロトタイプの短期集中開発を楽しみながら行うはてなの開発合宿
- エンジニアが技術の情報交換を組織横断で行う草の根イベント
- 部門を越えて情報交換を行う、社内ブログ、社内Wiki
- 経験や能力の異なる2人が1つのプログラムを開発するペアプログラミング
- 個人ブログの内容を重視して採用判断の材料にするブロガー採用
これらの試みは個人の才能の発掘と、才能ある個人同士の相互啓発を狙いとしている。
Web2.0的なサービスが生まれやすい組織に共通する要素
- 創発的ディベロップメント
個々の人の能力の総和というより、コミュニケーションによって知恵や才能を相互に引き出し、全体として高いピークパフォーマンスを実現する組織。 - 芸術的プロダクション
ユーザとの持続的インタラクションで次第に完成度を高めていくが完成というものは存在しない永久のベータモデル - 互恵的オープンネス
標準プロトコルを通じて、個人間、サイト間で機能や情報を互恵的に共有する態度を持っている。
参考 IPSJ Magazine Vol47 No.11 Nov.2006
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